軒の出に宿る「用の美」

2026.6.30 コラム
軒の出に宿る「用の美」


私たちの家づくりで大切にしている考え方のひとつに、「用の美(ようのび)」があります。

用の美とは、民藝運動を提唱した柳宗悦が広めた言葉で、「使うためのものの中にこそ、本当の美しさがある」という

考え方です。

日本の伝統的な住まいに見られる深い軒も、まさに用の美を体現したものといえるでしょう。

軒は見た目の美しさだけを目的としたものではありません。

夏には、高い位置から差し込む強い日差しを遮り、室内の温度上昇を抑えてくれます。一方、冬には低い位置から差

し込む暖かな陽射しを室内の奥まで取り込み、自然の恵みを活かして暖かく過ごすことができます。

また、軒は雨や紫外線から外壁や窓を守り、住まいそのものの寿命を延ばす役割も担っています。


つまり、軒の出には、

「夏を涼しく、冬を暖かくする」

「住まいを雨風から守る」

「長く美しく住み継ぐ」

という大切な役割があり、その機能が自然と美しい佇まいを生み出しているのです。

私たちは、必要な機能を丁寧に考え、その結果として生まれる美しさを大切にしたいと考えています。

深い軒のある家は、決して流行を追うものではありません。

太陽や風、四季の移ろいと共に暮らし、年月を重ねるほどに味わいを増していく。

そんな日本の風土に根ざした住まいこそ、「用の美」の精神が息づく家であり、私たちが目指す家づくりの原点です。

代表 五輪一也

おかやま住宅工房の
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